Manuke Station BBS

RSS
投稿者 題名 内容 URL

会長のおしごと

投稿者: ココット 投稿日:
『会長のおしごと』
・タイトルで気がつくべきでした
・余裕がある時に味読するから、と取りこぼすところでした
・これが2回目の殿堂入りな作品でした


CLANNAD・SS 『会長のおしごと』 良かったです~。
いやManukeさん "私の" 坂上智代でなんてGJを!
GJ!  いやそれしか言いようがないのではないでしょうか~(笑)

Manuke大先生・呼ばわり再び(笑)


本編のイメージを壊す展開の多い "シリアス&らぶジャンル" は、個人的にはかなり苦手な範囲。
しかも失恋側の描写なんていうのは、それに輪をかけて苦手なジャンルなので、最初から評価に
-30点ぐらいの修正をいれてみたり。

しかも 『CLANNAD』 本編で私情を重ねまくりの坂上智代のらぶSSとあらば、最初から合計-60点
ぐらいの偏見から評価を始めるのが基本というものでしょう。それで 『会長のおしごと』 は
──120点ぐらいですかねえ。
もうこんな奇跡は二度とないと思うので、今回だけは褒めちぎらせて頂きますよ~(笑)


・智代と春原
最初の導入部分は、導入(物語の説明部分)だけあって普通なのですが、
最初の春原の会話あたりからでしょうか。

「――だから、痛いのは最初だけだって。すぐに気持ちよくなるよ、僕のテクでさっ」
この辺から "あの" 春原を思い出してニヤニヤときはじめるのです。

あと「誰だっ! 僕のケツ、危うく割れちゃうところだっただろ」 とか。
春原の特徴を上手く掴んで演出した会話です~。

そして『逆十字絞め』とかいうテクなんだぜっ」
ここで吹きました。正直飲み物を飲んでなくて良かった!というぐらいに思わず(笑)

またこの前後の智代~春原のやり取りも違和感を感じることなしにテンポ良く
読むことができましたので、とても秀逸だと思っています。


・智代と不良
本編を進めながらも思っていたのですが、智代の不良たちに顔が利くというエピソードは
負の特徴として使われがちですが、良い方向に使ってあげることができれば、それは
坂上智代というキャラのアドバンテージにもなり得る特徴だと思っているのですよね。

なので智代に対して "斬られ役" としてばかり不良にあてがうのではなくて、
 "裏の世界の人脈" としての "財産としての不良さん" の生かし方があると良いな~と
思っていたのですが、そういう密かなオレ内部ポイントが、この辺のエピソードでは
作品に対する評価ポイントとして稼ぎ出されたりしています(笑)

そして有紀寧シナリオとの連携にて、不良エピソードを絡めたことは見事ですよね。
有紀寧が先だから、不良を経由して智代が語り手として浮かんだのか、
智代が先だから、不良を経由して有紀寧シナリオ・アフターが選ばれたのか、
あるいは、そのどちらでもないのか、この辺は是非お伺いしてみたい所(笑)


あ、それでは久々に重箱チェック行きますね(笑)
> 男は「何で俺が……」と苦虫を噛み潰しながらも、渋々話し始めた

ここはちょっと1行にまとめすぎかも、と感じました。
流れで読んでいて、渋る表現の割にはアッサリと喋りはじめたな、
という印象を受けましたので。

> 男は「何で俺が……」と苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら
> しばらく言い難そうにしていたが、やがて渋々と話し始めた。
ぐらいに、喋りだすまでに "間" を一瞬とったほうが良いような。

個人的には、言い渋っている男に対して、智代が眼光で気圧すとか、無言の圧力をかけるなど、
ワンアクション起こして、不良の行動を促し出すといい感じです。智代スキーですから(笑)

あとは、これぞ重箱のスミをつつくですが
> 有紀寧の唇を奪いやがったのよ

は "有紀寧にキスしやがったんだよ" ぐらいに砕けた表現のほうが、
ナウでヤングな不良さんらしいと思うですが……。

# こういうポイントって "敢えて" Manukeさんが
# ひねって考慮された表現だったりするのですよね(笑)


そして本編に戻りまして──終盤の部分は黙って最後まで読みましょう、ですね(笑)
こういうシーンは注釈垂れるものではないので、感想はただひとこと "良かったです"
で充分ではないかと。

こういうシーンは技巧に関係なく、読んでみて違和感を感じたか否かで評価を決定していますので、
そういう意味で、ここでは違和感をまったく感じませんでした。
だから感想は良かったです、で良いと思うのです(笑)


全体評価としては
・キャラクターの動きに違和感が無かった(最重要)
・笑える /心に留まるポイントがあった(重要)
・文章全体の流れとしておかしいところが無かった(加点・減点対象)

というオレサマ規定をすべてクリアしたうえで、
なお好きなキャラクターが題材の良いお話だったので、
これはもう褒めるしかしょうがないでしょう、という塩梅なので
晴れて『翼を継ぐもの』 に続く第二の殿堂入り評価となりました(笑)


Munukeさんってば、良いSSでGJです~。