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お勧めSF

投稿者: Manuke 投稿日:
To kobaxさん
> 作品を通じてですと何度かお会いしているのですが、こうして直にお話しする機会は
> 初めましてでよろしかったと思います。お邪魔します。

はーい、いらっしゃいませ。
こんぺの感想等でのやりとりを除けば、直接お話するのは初めてですね。

> こんぺのほう、お疲れ様でした。Manukeさんの作品もさることながら、感想のほうで
> 感銘を受けまして、書き込みさせてもらいました。あれだけ当を得たものを書けると
> いうのは、正直うらやましいです。どんな本を読んでおられるのかなーと思って、コ
> ンテンツのほうも拝見させてもらいました。

kobaxさんもお疲れ様でした。
いや、なんか的外れな感想を付けてしまったのも多くて、自分としては冷や汗ものだっ
たり(^^;)
それはともかく、kobaxさんのお話も楽しく拝見させていただきました。ああいう温かい
お話って好きです。

> ちょうど今回のこんぺ参加にあたり、SFに興味を持ちました。Manukeさんはこのジャ
> ンルに通じている方と思われます。よろしければ、特にお薦めの作品を数点教えてい
> ただけるとありがたいです。入門的なもの、開祖的なもの、傑作など、これは読んで
> おきたまえ、というのはあるでしょうか。――本来なら紹介全て眼を通してからお聞
> きするのが筋なのですが、失礼を承知でお願いしたいと思います。

# ふふふ……。
# 血液成分を分析器にかけると、9割が水分で残りがSF分という私にその話題を振りまし
# たねっ。少しばかりお覚悟を(^^;)
# (下記の書名は、手前味噌ながら私のレビューにリンクさせていただきました)

SF入門ということでしたら、まずは20世紀SF黄金時代を築いたSF三巨匠、アイザック・
アシモフ氏、アーサー・C・クラーク氏、そしてロバート・A・ハインライン氏の作品
ですね。
中でもストーリーテラーと名高いハインライン氏がお勧めです。オールタイム・ベスト
に選ばれる痛快時間SF『夏への扉』辺りがよろしいかと。
理詰めのロジックを楽しむアシモフ氏では、ロボット三原則を扱った『われはロボット』
でしょうか。
科学的考証を大事にされるクラーク氏は、軌道エレベータを建造する物語『楽園の泉』
が圧巻です。

近代SFの父と呼ばれる方はお二方いらっしゃいまして、一人はジュール・ヴェルヌ氏、
そしてもう一人はH・G・ウェルズ氏です。
天下餅にたとえるなら(^^;)、お餅をついたのがヴェルヌ氏ですね。科学に裏打ちされた
小説というジャンルを創設されました。人力の潜水艇ぐらいしかない時代に書かれた、
電気で深海まで到達する万能潜水艦ノーチラス号の海底旅行記『海底二万里』は海洋SF
の傑作です。
一方、お餅をこねたのがウェルズ氏です。外挿や社会風刺、そして様々な仕掛け(SFガ
ジェット)を導入して、SFに魂を吹き込まれました。火星人の地球侵略を大英帝国の他
国侵略となぞらえた『宇宙戦争』は、古典ながら今でも考えさせられる作品です。

上記の作品はいずれも入手は比較的簡単だと思われます。
ただ、お勧めしたい本の中には絶版になっているものも少なくないんですよね。
例えば、宇宙開発を推し進めようとする一人の男を描いた、フレドリック・ブラウン氏
の『天の光はすべて星』は、題名を見るだけで目が潤んでくるほど私が愛する作品です。
はたまた、人物描写もストーリーも不要とばかりにおざなりな(笑)、物理学者ロバート・
L・フォワード氏による異星ハードSF『ロシュワールド』なども、ぜひ一度読んでみて
ほしいお話です。
(面白いと思っていただけるかは別として(^^;))
新刊での入手は難しそうですので、図書館を当たった方が良いかもしれません。
こうした名作と呼ばれるにふさわしい書が入手困難なのは社会的損失ですねー。

楽しんでいただけるかどうかは分かりませんが、いずれ劣らぬ傑作です。
一読の価値はあるかと。

また、大体週一のペースでSF小説レビューを追加していますので、お時間のあるときに
でも読んでいただければ幸いです。
大した内容でもないのですが、SFに対する愛情だけはたっぷりあります~(^^;)