「おそれながら、神奈備命の御母君と推察いたし……」 「遅すぎるではありませんかっ」 スパパーン! 「ああっ、天から授けられる『張り扇』を二振りも」 「……痛いんだが」 「す、済みませぬ。わらわとしたことが、つい――」 「さすがは余の母上っ。その早業、飛び交う矢すら叩き落とせるほどよの」